ジオグリッド補強土擁壁工法 Adeam Wall アデムウォール工法

アデムウォールは安全で美しい補強土擁壁を造ります。

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2009年4月1日

アデムウォール

設計・施工御担当 各位

 

補強土壁工法の施工に関するお願い

アデムウォール協会

                            技術委員会委員長

                                太田 秀樹

 

時下益々御清栄のこととお慶び申し上げます。

 補強土壁工法は、従来のコンクリート擁壁などに比べて、経済性・施工性に優れており、さらにその耐震性の高さから、近年広く普及して多くの施工実績があります。

 しかし、近年、補強土壁工法の原理が十分に理解されずに、その優位性だけが強調され、使用上の留意点や現地の状況を十分に把握しないで施工を行い、北海道で報告されているように、壁面に変状をきたすような状況も少なからず見受けられます。

 当協会では、このような状況を踏まえて、補強土壁工法の施工上の留意点を改めて喚起させていただくことで、補強土壁工法の信頼性の向上に努めます。

 以下に、補強土壁工法の施工で特に注意していただきたい点を示します。

 

1.盛土材料について

 アデムウォール工法は、盛土材料と、その中に敷設する補強材の相互作用によって安定性が図られているため、使用できる盛土材料には制限があります。

 特に使用してはならない盛土材料は、液性限界(wL)が50%以上の有機質土です。

 また、液性限界(wL)が50%以上の粘土も、そのままでは使用できず、適切な安定処理を行う必要があります。

アデムウォール工法の盛土材料に用いる土質材料の適否を図-1適否欄に示します。

 

-1 土質材料(細粒土)の工学的分類体系2)加筆修正

 

盛土材料の適否の判断は、液性限界(wL)が目安となります。液性限界は、土が塑性状態から液状に移るときの含水比であり、土の液性限界試験で求められます(土の液性限界試験は、1試料あたり、7,700円程度(建設物価/2009・4月号)の費用です)。

 盛土材料として使用できない有機質土は、強熱減量試験により判断できます。強熱減量試験は、炉乾燥した土を高熱(750℃)で焼いたときに減少した質量を有機物量と考える試験です(土の強熱減量試験は、1試料あたり、8,500円程度(建設物価/2009・4月号)の費用です)。

 

2.締固め管理について

 アデムウォール工法の安定性および耐久性と、盛土材の締固めには密接な関係があるので、締固めの施工において以下の項目を十分に管理してください。

締固めの管理基準は、各機関の仕様書によるものとし、締固め度が管理基準値から外れる場合は、施工を中断し、ばっ気や散水などの対策工を施す必要があります。

(1)                目標とする締固め度が盛土全体で均等に得られるように、層厚30cmごとに締固めを行ってください。

(2)                盛土材の性質・工事規模・作業状況に応じて適切な締固め機械や、締固め機械の組合せを選んでください。通常、粘性土にはタイヤローラーを使用してください、礫質土には、ロードローラーも使用できます。

(3)                1日の作業終了時には、降雨などで水が盛土に溜まらないように、タイヤローラーで締固めてください。

(4)                降雨が予想される場合は、1日の作業終了時に適切な排水対策(地山側へ導水勾配をつける、シートにより水の浸入を防ぐなど)を講じてください。

(5)                原則として降雨時には締固め作業を行わないでください。

3.施工手順について

 アデムウォール工法の施工においては、所定の施工手順を必ず守ってください。施工手順を図-2に示します。

 特に、壁面固定ベルトは、しっかりと緊張を与えて設置してください。

 また、変形吸収層で盛土の変形をできる限り吸収するために、高さ5m程度盛土するごとに、2.5m程度の高さまで変形吸収層の砕石を投入してください。

 

@       掘削・整地・基礎工

A       壁面材の設置・組立て

B       砕石の埋め戻し

C       壁面固定ベルトの設置

D       鋼製枠設置・組立てとアデム敷設(計画位置のみの敷設)

E       盛土材料まき出し・敷均し・締固め

F       次段の壁面材の設置・組立て

G       D,Eの繰り返し

H       水平排水材の敷設

I       C〜Eの繰り返し

 

J       F〜Iの繰り返し

K       単粒度砕石投入(5m程度盛りだされるごとに、2.5m程度まで投入)

L       計画高さまでJ〜Kの繰り返し

M       付帯工の施工

-2 アデムウォール工法の施工手順

 

4.排水対策について

 補強土壁工法の施工時および施工後に、補強盛土内への水の浸入によって盛土材料の強度低下が生じないように、十分な排水対策を実施してください。

(1)            全体の排水計画

     排水対策は、アデムウォールを建設する現地の状況(地形・地質など)を考慮して計画してください。

     谷部などの集水地形では、大量の湧水を処理できる対策を実施してください。

排水対策の例(展開図)

(2)            盛土内排水

     砕石以外の盛土材料を用いる場合は、盛土内に水平排水材を必ず設置してください。

     上載盛土を計画している場合にも、上記と同じ条件で盛土内に水平排水材を設置してください。

 

(3)            切盛境排水、縦断方向排水

     切盛境には、上下方向に5〜10m間隔を目安として、排水工を設けてください。

     湧水箇所には、必ず排水工を設けてください。

     湧水箇所には、必ず排水工を設けてください。また、湧水箇所が多く存在する場合は、全面に排水層を設置してください。

 

(4)            小段排水

小段には、路面や上載盛土からの雨水や流水を処理するための排水工を必ず設置してください。

 

(5)            横断方向排水

 切盛境排水工で集水した湧水は、適切な箇所と、適切な本数による横断方向排水によって盛土外へ排出してください。

 

(6)            施工時の排水

     調査や設計の段階で予想しなかった湧水が施工段階で生じた場合には、適切な排水対策を実施してください。

     施工中は、仮排水工を設置してください。

     仮排水工は、壁面側ではなく切盛境排水工へ排水するようにしてください。

(7)            水辺の設計

     水辺で補強土壁を計画する場合は、高い残留間隙水圧が発生しないように、透水性の良い均質な礫材を用いるなどの排水対策を実施してください。

     洗掘防止や盛土材料の流出防止などの対策を実施してください。

 

5.寒冷地での設計・施工について

凍上が予想される寒冷地(北海道、東北地方や山岳地帯)にアデムウォールを計画する場合は、壁面材の背面に凍上抑制層を設置する必要があります。図-3に凍上抑制層を設置した凍上対策例を示します。凍上抑制層の厚さは、地域によって異なりますが、1m程度が必要です。

凍上対策として、凍上抑制層の設置と併せて、前述の排水対策を十分に実施する必要があります。凍上抑制層に使用する材料は、透水性が良く、かつ粒度分布の良い材料を用いる必要があります。

補強土壁工法の壁面に凍上による変状が生じないように、「道路土工−排水工指針」,「北海道開発局 道路設計要領第1集 道路」に基づいて、凍上対策を十分に実施してください。

また、冬季の施工においては、凍結土の混入によって盛土の品質が著しく低下し、凍結土の融解により盛土全体が大きく沈下する場合があります。凍結土は、目視などでは判断しにくく、現場で除去することが困難なため、凍結土が発生する環境での、冬季の施工は十分に注意し、凍結土をヒーターで溶かす等の対策を実施してください。

-3 凍上抑制層の設置例

 

 

 

 

 


 

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